認定NPO法人 ほっとすぺーす・つき(千葉県)

2021年12月24日(金)
地域企業との会話の重要性(NPOにとって)。

ほっとすぺーす・つきは、その名のとおり、誰もが「ほっとする」居場所を、7年半に渡り地域に提供してきた認定NPO法人です(認定は2019/12に取得)。悩みのある人、ない人、いろいろな人が同じ空間にいて、それぞれが何かをしていても、あるいは何をするわけでなくても、人と一緒にいることでお互いに居心地が良い、そんな居場所が人には必要だと考え、それを実際に実現してきました。居場所の中では、こども食堂や学習支援(小中学生向け)、あるいは書道教室やおしゃべりの会、ケンコー麻雀など多世代を対象とした企画が日常的に開催されております。事情があってどうしても居場所まで出てこれない方(ひきこもり者、不登校児、孤立した母子)へは、ほっとすぺーす・つきのメンバーが出掛けて行って話しをする、居場所の出前のような「訪問事業」も行っております。最近は少しずつですが地域での知名度も上がり、市の制作したこども食堂PR動画にも登場したりしております。

この事業を、社会福祉の専門家である理事6名が、皆、別の社会福祉の本業で忙しいにもかかわらず、ボランティアさんの助けを得ながら現場で回しております。専従職員はおりません。

ただ御多分に漏れず、小さなNPOの宿命としての財政難。そこで、ほっとすぺーす・つきは、自分たちだけががんばるのではなく、地域のみんなで協力し合って地域の居場所を維持することに意味があると考え、地域企業の社長さんを回り丁寧に事業を説明したうえで、ご協力(ご寄付)を仰ぐこととしました。実際にこの2か月で、つてを頼りに、これまで全くご縁のなかった社長さんたち4社を回りました。

社長さんたちの反応はさまざま。コロナ禍の影響もあり会社経営上、協力したくてもできないといった声もありました。ただ分かったことは、総じて社長さんたちも、地域の連帯や共生には無関心ではないということ。それは昨今流行りのSDGsという言葉に踊らされての企業行動ではなく、本当に自分が住んでいる地域、自分の会社が営業している地域を見ての、人としての共通の思いから発せられた言葉の数々でした。ほっとすぺーす・つきの活動内容を初めて詳しく知った社長さんたちでしたが、時には社長さんから、ほっとすぺーす・つきに、もっとあれをやってほしい、これをやってほしいといった逆提案もあり、さすがに小さなNPO法人として今すぐには難しいという思いも頭をよぎりながら、聞いている側も、たじたじ・・・。

結果は、財政難を乗り越えるだけのご寄付をその場でいただけたというわけにはまいりませんでした。相手も百戦錬磨の企業経営者ですので、そう甘くはありません。ただこうした直接の会話は、お互いにとって、社会課題に対する認識を深めさせ、明日から何をやっていけば良いかをあらためて考えさせる大きなきっかけとなったことは間違いありません。

多くのNPOは、特に小さなNPOであればあるほど、どうしても今の目の前にいる個人が抱える課題の直接の解決で精一杯のところがあるかと思います。もちろんその現場力こそがNPOに求められる力で、NPOの存在意義にも当たるものと思います。ただ並行して時にはNPOも、不慣れでも、苦手でも、自分が普段接したことのない世界の人の懐に、図々しく飛び込んで行って、(こういう財政状態だからいくらのご寄付をください、も含めて)本音で語り合うことも、NPOにとって、そして社会にとって、大事なことだと思います。

ほっとすぺーす・つきにとっては、今回は、地域の社長さんたちも直接会って話しをすればお互いに共感しあえる何かがあると分かっただけでも、大きな収穫でした。これを繰り返していくことで、ほっとすぺーす・つき自身が成長していく (言葉や考えにより厚みが出てきて、事業が活性化される) ものと思います。

ほっとすぺーす・つきが今回お会いした4社の社長さんと今後もやり取りを積み重ねながら、その支援を事業につなげていく姿を、そのうち再びこの「旬の話題」でも取り上げ、皆様にお知らせできればと考えております。ご期待ください。皆様からも、ほっとすぺーす・つきを応援いただければと思います。

ほっとすぺーす・つきホームページ

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