NPO法人 WELgee(東京都)
2022年2月25日(金)
休眠預金が困難者の人生を切り開く。
全国の金融機関では、預金口座における預け入れや引き出しといった取引がないまま10年以上放置されている「休眠預金」が、毎年新たに1千億円超発生していると言われております。その休眠預金をNPO等が行っている「民間公益活動」に活かすという「休眠預金活用法」が2018年1月に施行されて4年が経過しました。既にこの休眠預金を活用して事業のスケールアップや多角化等に取り組まれているNPOさんも少なくはないものと思います。
NPO法人WELgeeもその一つ。WELgeeは2018年2月の設立以来、「祖国を追われ日本にやって来た難民の方々がその本来持っている多様で優れた能力を引き出すことで、『人材』として日本の企業で活躍する場を創出し、未来を掴んでもらう」といった活動をしてきた団体です。そのWELgeeがCash for work型休眠預金事業実行団体に採択され、いよいよこの2月から、「スキルを持った難民の方を、まずは企業側雇用の入り口としてインターンシップで雇ってもらう(インターンシップ期間中の賃金を休眠預金から補填することで企業側の負担を無くしながら、その後の正規雇用につなげていく)」という新たな取組みを開始しました。
難民の方を社会として迎え入れ第二の人生のスタート時に背中を押してあげる ・・・ なかなか票になるものでもなく、政治家も国も十分に積極的な関与を示してくれるとは言えない分野で、限られたマンパワーであっても丁寧に一人一人に寄り添い、お付き合いを続けていく。こうしたことはNPOだからこそ出来ることなのかもしれません。WELgeeが支援する難民の方の中には、祖国での大臣経験者、事業経営者、臨床検査技師などもおられるようです。休眠預金という日本の資産を、世界各地から困難を背負ったまま日本にたどり着いた人たちの未来への歩みにつなげるWELgeeの試みを、応援したいと思います。
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