埼玉県川口市のクルド人に関する国会でのやり取り

2025年3月3日(月)
ネットニュースに、先日2月21日の衆院予算委員会で日本維新の会の議員が埼玉県川口市に集住するクルド人を巡り「ルールを守らない外国人との共生をどう考えるか?」と首相へ質問し、その上で、女性へのつきまといや性的暴行でクルド人が逮捕された事件などを挙げ、「在留資格のない人は、悪さをする人も多々いる。しっかりと強制送還して早急に対応してほしい。」と訴えたという記事が載っておりました。それに対し石破首相は、「ルールを守らない外国人とは共生できない。」、「わが国での在留が認められないものについて、迅速な送還は実施をする。」といった内容の答弁をしたとのことです。この記事を見て、私は次のような感想を持ちました。

1. 「クルド人、そして在留資格のない人は悪さをする人も多い」という点からやり取りがスタートしておりますが、それは例えば一般の日本人や、あるいは日本国内にいる他の国籍の外国人等と比較して、クルド人の場合は顕著に高い比率でそのような事件が起きているのだろうか、まずはそこを知りたいと思いました。もし日本国内のクルド人や在留資格のない人の犯罪率が他と比べて特に高いというような顕著な特徴を示しているわけではないのであれば、日本維新の会の議員の質問は誤解を招くゆがんだ質問だったということになるものと思います。

2. そもそも上記1の私の疑問がyesであったとしてもnoであったとしても、クルド人あるいは在留資格のない人が犯罪をおかさないようにする、あるいは共生へ向けて守るべきルールを守ってもらうようにするという話しと、在留資格にからめての日本からの強制退去の話しとでは、話しの次元が異なります。簡単に関連付けて論じるのは性急すぎるのではないかという気がいたします。もっと慎重に考えなければならない(丁寧に説明してもらわなければならない)問題なのではないでしょうか。

3. 最後に、この記事についてはネットニュースで短く流れていたものを見ただけです。テレビや新聞等の大手メディアでは、このニュースは一切見なかったような気がします。社会としての大事な話し、しかもそれが国会での野党の質問のあり方(問題の取り上げ方)とそれに対する首相答弁に関係する話しとして、大手メディアも看過してはならないニュースのように思うのですが、いかがでしょうか?

以上は短い切り取り記事を見ての私の感想ですので、国会での実際の全体のやり取りはもっと趣きが違っていたのかもしれません。そこは注意が必要です。ただ最近は、この川口市に在住するクルド人に対してのヘイトスピーチの話しも耳にするようになり、状況が気になるところではあります。

我々NPOが取り扱う社会課題にはさまざまなものがありますが、その社会課題に関連して流れて来るニュースに対しては、日頃から感度を高くしながら、落ち着いて多角的な視点から分析的に接していかなければならないと、あらためて思い直させられたネットニュースでした。

※ 余談ですが、一昨日および昨日の新聞報道によると、トルコからの分離・独立を目指し武装闘争を続けてきたPKK(クルド労働者党)の創設者は現在トルコ国内で投獄されているとのことですが、その創設者自らによる獄中からのPKKへの武装解除の呼び掛けがあり、それに応じたPKKは即時停戦を宣言したとのことです。これで40年以上に渡るトルコ国内での紛争が終結すれば、トルコおよび中東各地のクルド人居住地域の安全保障に変化が見られるかもしれません。

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