円安
2026年1月26日(月)
円安とは、ドルに対して円の価値が下がることを言います。したがって円安になると、円で表わした人々の賃金の額は変わらなくても、それをドルで表示すると、金額が下がって賃金が目減りしているということになります。今は我々の生活は、食料にしても、生活用品にしても、それらを作る原材料にしても、無数の輸入品に支えられて成り立っております。円安になるということはドル表示した賃金が下がるということなので、多くの輸入品に頼っている我々の日常生活は苦しくなります。一方、企業にしてみたら何もしなくてもドル表示した時の賃金がカットされますので、コスト(賃金)を押さえながら効率的にものを生産できるという話しになります。働く人の賃金が(ドル表示で)押さえられることにより、より多くのものを(ドル表示で)安く輸出できるようになり企業の生産効率は上がり、企業は儲けます。こうした輸出企業(大企業)目線で経済を構築していくこと、それがアベノミクスであり、サナエノミクスです。
なぜ円安が起きるのか? - それは理屈で行くと、日米の金利差によるもの(金利の低い国の通貨の方が安くなる)ということではありますが、そうした正論は学者やエコノミストに任せておけば良い話しです。 (そもそもが社会の出来事を金利差で捉えるというものの見方自体が、資本や投資家や企業が経済を回すのが当然であるということを前提にして社会を分析、説明していこうとする話しであり、庶民からしたら鼻持ちならないもののように思えてきます。)
なぜ円安が起きるのか? - 今日は少し、もっと身近な実感あるものとして説明できないか、考えてみました。
まず世の中のお金の流れですが、次の3つに大別できるのではないでしょうか。
(1) 人々が働いて賃金としてお金をもらい、それで物を買って消費して生活していくというお金の流れ。 (賃金と消費)
(2) 企業が(起業家が)、銀行からお金を借りて、それで生産設備と原材料を買い、人を雇い、人を働かせ、作らせて、売って、利潤を得るというお金の流れ。 (借入と生産)
(3) 溜まったお金を他人である企業に預けて、そこで人を働かせ、ものを作らせ、売って得た利潤の中から利子を回収するというお金の流れ。 (金融と投資・投機)
上記3つの他にも、国が(1)、(2)、(3)からお金を吸い上げて使うという、税金にまつわる話しもありますが、それは二次的な話しなのでここでは割愛します。
ものの生産と消費(社会の中での人々の暮らし)に付き添いながら、(1)と(2)の中をお金が回ります。そこで生まれた利潤の一部は(3)に変化していく流れを生みますので、(3)は次第に膨らんでいきます。(3)に溜まったお金は「資本」と呼ばれ、他人である企業に預けられ、人を雇い、人を働かせ、ものが生産されていきます。この「資本」が国内で人を働かせ、ものを生産するだけでは飽き足らず、外国の企業の株式を買ったり、外国の政府の国債を買ったりする形で、「投資」や「投機」と呼ばれながら外国に飛び出していくことがあります。つまり「国際資本」として外国において人を働かせ、ものを生産することになります。そして近年のグローバリズムの下、「資本」が国家間を動くにあたっての規制が緩和されたり、通信・ITの技術が進歩したりしたことにより、「国際資本」として各国間を行き交う資本の量が飛躍的に増え、為替相場に影響を与えるようになってきました。つまり日本に入ってくる「国際資本」の量が増えると円高となり、減ると(あるいは日本から出て行く「国際資本」の量が増えると)円安となります。
日本はこれから人口が減っていく社会です。働く人が減り、ものの生産量も(他国と比較して)減っていきます。人を働かせ、ものを生産し、利潤を得るということを目的とする「資本」にとっては魅力の乏しい国になっていくのではないでしょうか。従って日本に入って来る「国際資本」よりも日本から出て行く「国際資本」の方が多くなっていき、その結果として中・長期的な基調としては円安になっていく、そんな感じを抱かせます。アベノミクスやサナエノミクスといった一時的、刹那的な政策としてではなく、長期的な国の姿としてのイメージです。
ただしここで気を付けなければならないことは、そうした国の姿は人々にとって果たして不幸なことなのか、それとも幸せなことなのかです。それを考えるには、働くとは何か、人を働かせてものを生産する資本とは何か、お金の回り方の意味や目的は何でそれは変えられないのか、生産と消費のバランスをどう考えるか、その中での人の生き方(個人と社会との関係)の選択肢は増やせないのか、などなど、多くのことを丁寧に観察し、考えていかなければ、どちらなのかは分かりません。そのあたりはまた追々、一つずつ考えていけたら良いものと思います。少なくとも、人口減少 → 国力の低下(円安) → 不幸、といった単純な図式には落とし込みたくないと今は思うだけです。
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