不思議。でたらめ。
2026年2月9日(月)
今回の総選挙は高市総理個人の圧勝で終わりました。高市さんにはこれからせいぜい社会を壊さないように政治を進めていってもらいたいものです。それにしても「不思議」な選挙でした。「防衛力強化」、「生産力強化」、「強い日本」。そうした「強化」一辺倒の社会は統制を生み、人を委縮させます。一人一人の人間から「考え」を奪い、一人一人の人間を、コントロールがしやすく従順な「数」の一つ一つに落とし込んでいきます。
選択的夫婦別姓は雲散霧消。防衛三文書の改訂。輸出可能な防衛装備品についての5類型の撤廃。スパイ防止法の制定。憲法9条の見直し。「移民」と呼んで区別した相手への統制強化による自己満足。沖縄米軍基地問題の放置。国会議員の定数削減。企業団体献金の禁止への後ろ向きな姿勢。労働時間の規制の緩和。無軌道なエネルギー政策の延長上にある原発再稼働。巨額なAIや半導体生産への投資の聖域化。アメリカに対する無条件、無批判な隷属と自己保身。それらは既得権益者や経済的強者の側の論理に由来するということへの無自覚さ。
一人一人の人間が自分の「考え」を持ち、話せてこその人間の社会です。それを可能にするのは「強さ」ではなく、「自由」のある社会的な土壌です。「自由」を生み出すのは政治上での民主制が必要なこともさることながら、もっと生活に、人の人生に、身近で大切な「自由」とは、
・ 生産の場での自由 (労働に参加する自由と参加しない自由、参加した労働における生産の仕方の決定に参加できる自由、生産の成果の公正な配分の仕方の決定に参加できる自由) と、
・ 消費の場での自由 (日々の生活の仕方を選択し、それを成就させる自由) です。
「強化」は、「自由」を阻害します。
「強化」は相手との「競争」を意味しますので、一人一人を守ってはくれません。社会が荒廃していきます。
「自由」が相手との「共創」につながれば、一人一人が生きていけます。社会が変化しながら回転していきます。
生産の場での自由や、消費の場での自由を掘り下げていくと、その時取るべき政策も自ずと定まってくるはずです。例えばなぜ消費税は無い方が良いのか、それは単なる景気対策のためではなく、もっと根源的なところでは、消費の場の自由を制限するからというのがその理由だと思います。経済政策の話しに触れると、すぐに通貨や債権の相場を介して世の中のごく一握りの投資家・投機筋・エコノミストなどと呼ばれる人たちが結束して経済を社会を自分たちの都合の良い方向に動かしにかかります。つまり、お金の蛇口をキュッと締めて、円安や債券安(金利高)に市場を誘導します。今の日本はそれに対抗するだけの、過去に蓄積した生産力(生産設備)、治安の良さ、平和外交、高等教育の普及、そして豊富なドル資産(アメリカ国債や海外株式)を持っているはずです。安定した日銀もあり市場からの国債買付も可能です。ただしそれは、どんな世界ともつながり、話し、分かり合うことで力を発揮します。そんな時に防衛力つまり軍事力を強化していては、日本の独りよがりであることをすぐに見透かされてしまい、世界からの信用を失います。
SNS上での短文投稿と切り取り動画だけでは議論は何も深まりません。政治の貧困を生み出します。そもそも打算的な自己都合解散に応じた突然の選挙では、選挙期間が短すぎます。テレビ・マスコミも真剣な議論は提供せずに、型通りの番組構成を整えることが仕事だと思っているようです。
今回は稀に見る、最初から最後まで、「不思議」な選挙でした。具体的な政策の提案も議論もないまま、高市さん個人の見た目の印象を世に問うという、訳の分からないまま始まった選挙は、テレビ討論を避けながらSNS上での動画を使ってそのまま進められ、その結果は高市さん個人一人だけが大笑いするという形で終わりました。ここで言う「不思議」とは、「でたらめ」という言葉に置き換えることができるかもしれません。そして今回の選挙で国民が下した判断は、実は、まさにその「不思議」に相当するものだったのではないでしょうか。
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